日本企業が求める高度外国人材

日本企業が求める高度外国人材
入国管理制度上の在留資格には、通常の就労が認められる資格のほか、高度外国人材に対し認められる「高度専門職」があります。そのような資格を持つ、高度な専門的知識や技術を有する人材のことを高度外国人材=高度人材と呼びます。政府は高度人材の受入れを促進するため,高度外国人材に対しポイント制を活用した出入国管理上の優遇措置を講ずる制度を平成24年5月7日より導入しています。
高度人材の優遇措置
1 複合的な在留活動の許容
通常の在留資格を持つ外国人の方は許可された1つの在留資格で認められている活動しか認められていませんが、高度外国人材は,複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができます。
2 在留期間「5年」の付与
高度外国人材に対しては,法律上の最長の在留期間である「5年」が付与されます。
3 在留歴に係わる永住許可要件の緩和
永住許可を受けるためには,原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要です。しかし、高度外国人材としての活動を引き続き3年間行うと、永住許可の対象となります。さらに、高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)は,高度外国人材としての活動を引き続き1年間行うと永住許可の対象となります。
4 配偶者の就労
通常の在留資格を持つ外国人の配偶者が在留資格「教育」「技術・人文知識・国際業務」などの活動を行う場合、学歴・職歴などの要件を満たし、これらの在留資格を改めて取得しなくてはなりません。しかし、高度外国人材の配偶者の場合は、学歴・職歴などの要件を満たさない場合でもこれらの在留資格に該当する活動を行うことができます。
5 一定の条件の下での親の帯同の許容
現行制度では,就労を目的とする在留資格で在留する外国人の親の受入れは認められていません。しかし、①高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子を含みます。)を養育する場合②高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合については一定の要件の下で高度外国人材、またはその配偶者の親(養親を含みます。)の入国・在留が認められます。
6 一定の条件の下での家事使用人の帯同の許容
 外国人の家事使用人の雇用は,在留資格「経営・管理」,「法律・会計業務」などで在留する一部の外国人に対してのみ認められています。一方高度外国人材は,一定の要件の下で外国人の家事使用人を帯同することが認められています。
7 入国・在留手続の優先処理
高度外国人材に対する入国・在留審査は,他の外国人の審査よりも優先的に処理が行われています。具体的には入国事前審査に係る申請については申請受理から10日以内を目途に、在留審査に係る申請については申請受理から5日以内を目途に行われています。
高度人材認定件数の実際は、増加中
 法務省によると、平成30年6月時点で、高度人材ポイント制の認定件数は12945件です。これは平成29年6月9日に閣議決定された「未来投資戦略2017」のKPI「2020年末までに10,000人の高度外国人材認定を目指す」をすでに達成しています。これは、高度人材にさらなる期待が寄せられており、そのため、「2022年末までに20,000人の高度外国人材認定を目指す」という目標も、近いうちに達成されることが期待できます。